レッドクリフ

映画「レッドクリフ2」が話題になっている。言わずと知れた中国・三国志の中でも最大の場面として語り継がれる「赤壁の戦い」を描いたものだ。西暦200年代の前半、魏の曹操、蜀の劉備、呉の孫権が覇権を争っていた。
当時、日本はというとまさに卑弥呼の時代。魏志倭人伝以外にキチンとした資料が無く、いまだ邪馬台国の所在地を巡って論争が尽きぬ中、お隣中国ではこれだけの歴史スペクタルが映像化されるだけの資料が残されていることに、改めて中国という国の底力を感じる。
三国志の好きな日本人は多いと言われ、邪馬台国に限りなくロマンを感じる人も、また多かろう。しかし、これらが同時代の出来事だったと理解し得ている人は意外に少ない。
元・朝日新聞の記者で作家の伴野朗氏は、本当に日本史を知りたければ、朝鮮史、中国史を知ることが大事だ、と以前ある雑誌のインタビューで語っていた。その通りだと思う。中国の歴史を知ることが、日本の歴史をより理解することにつながる。
できれば、邪馬台国からの「傭兵」が、三国による戦いに大きなインパクトを占めたなんて空想的な映画でもできると、理解は一層深まるのだが。